お金を残すは下
後藤新平という明治の政治家をご存知ですか?
私が後藤新平を知ったのは、プルデンシャル生命で支社長をしていたときでした。
支社長と言っても、もともとある組織を管理するわけではなく、
自ら採用育成し組織を作っていくという仕事でしたから、
自分は何のために人を採用し、どのように人を育てていくのかを常に自問自答していました。
そんな時、後藤新平を知り、彼のように生きたいと憧れ始めたのです。
出世よりも、自分の信念を大切にし、常に国民のためにあらゆる事業を次々と成し遂げていく。
私財よりも、他人の信念を大切にし、あらゆる事業や人を残していく。
そんな後藤新平を知れば、憧れてしまう人は、少なくないと思います。
いま、この人が日本の総理大臣だったら、日本はどうなっていたか?
という政治家も少なくありません。
3.11のときに、東京が液状化現象にならなかったのは、後藤新平のお陰とも言われています。
後藤新平の全てを真似することは出来ませんが、これだけは意識しようと思っていたことがあります。
それは、彼が遺した言葉で、
『財を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上なり
されど、財なくんば事業保ちがたく、事業なくんば人育ちがたし』
この言葉は、名監督と言われた故野村克也氏の座右の銘でもありました。
私は、これこそ究極のリーダーシップの考え方だと思います。
組織を永続的に継続・繁栄させていくためには、残すものは「人」なのだと思います。
そして、正しく「人」を残すためには、正しく「仕事」をしなければいけないと思うし、正しく「仕事」をすれば、そのために必要な「お金」が入って来るのだと思います。
育成という仕事はやりがいのある仕事だと思います。
ダルマ塾のモットーの一つとして、
『売れる人を見つけてくるよりも、 売れない人を売れるようにする。これが育成の醍醐味』
です。
チーム作りというビジョンを忘れかけていましたが、私も逃げずに邁進していこうと誓います。